アンティーク家具とパイン材 魅惑のパイン家具物語

カントリースタイルの定番といえば無垢の素材。
その中でもイメージしやすいのは床材や家具などに使われるパイン材だと思います。

日本では、フレンチカントリースタイルとしてホワイトインテリアが流行した後、ナチュラルカントリー・またはアメリカンカントリースタイルとしてパイン材が使われた家具が脚光を浴びました。

パイン材を使った家具は素朴で温かみがあって、自然な明るい色あいが素敵ですね。
本日はパイン材が家具に使われるようになった歴史をご紹介したいと思います。

魅惑のパイン家具物語

目次:

  1. パイン材とは:そもそもパイン材って何?
  2. アンティーク家具とパイン材
  3. パイン材だけで作られた家具
  4. パイン材家具の流行
  5. 魅惑のオールドパイン
  6. 一生をかけて使い込みたいパイン材家具

パイン材とは:そもそもパイン材って何?

パイン材とは、マツ科(針葉樹)の木、木材です。
マツ科といっても種類は様々。
丸太のままログハウスに、そして床などの建材に使われることの多いパイン材ですが、近年では家具材として北米のポンデロッサパインが使われています。
古来ヨーロッパでは赤松が家具に使われてきました。

やわらかい素材で節も多いので、種類によって使い分けられているそうです。

特徴としては、
やわらかい素材であること。
年月とともにねじれ等が生じること。
節が多く、割れやすいこと。等があげられます

アンティーク家具とパイン材

ヨーロッパの古い家具・アンティーク家具といえば、やはりオーク材やマホガニー材でつくられたものが一般的なイメージだと思います。
もともとパイン材は家具作りには向かない木材、観賞的価値のない木材として扱われていました。なので、ヨーロッパでは目立たない部分の建材として使われていたようです。

しかし、ヨーロッパでマホガニー材を使った家具が流行した当時、大量の伐採で材木自体が大変少なくなってしまいました。
オーク材においても、寒波や嵐による自然災害のため、オークの木が十分に確保できない時代もありました。

さらに、マホガニーやオークだけで作られた家具は重く加工しづらく、価格も高価になりやすかったということもあったでしょう。

様々な理由により、象嵌細工などの美しい装飾が施されたマホガニーの家具類は、見えない下地部分に加工しやすい安価なパイン材が使われていくようになりました。

節ばかりの木材は、それだけで家具を作るには美しくないとされた時代です。

パイン材だけで作られた家具

パイン材やエルム材など素朴な表情を持つ安価な木材は、労働者階級の使う家具にしばしば使われています。

上流階級の家具・客をもてなすための家具としてはふさわしくないとされた材料ではありましたが、とにかく安価で手に入りやすい材木でしたので、豪邸の召使部屋の家具、作業用の家具、そして労働者が家で使う家具として、徐々に庶民に浸透していきました。
また、家具だけでなく安価な建材としてドアなどにも使われていました。

ただパイン材の特徴的な理由、やわらかくキズがつきやすい・虫食いが多い等により、これらはペイントされて使うことが多かったようです。

パイン材家具の流行

資料が手元になく今となっては何年のことだったのか不明なんですが、19世紀に入ってしばらく後、パイン材家具のブームがヨーロッパに巻き起こります。

従来のペイントされたものではなく、パイン材そのものの味わいのある表情を味わうために塗装を施されていないパイン材家具が流行を始めました。

無垢のパイン材の魅力に気が付いた人々が、自分の家の納屋に放り込まれてホコリをかぶっていた古い古いパイン材家具を探し出し、そのペンキをこそぎ落として使うほどの人気でした。

イギリスなどでは、ペイントされたパイン材家具を剥離剤に浸してペンキをとる、専門の業者まで現れたようです。

もともと虫食いが多い、汚れやすい、割れやすい、キズつきやすい、シミがつきやすいなどの欠点を補うためにペイントされるべくしてペイントされていた家具でしたが、時代の変化によって欠点がすべて味わい深い魅力とされるようになったのです。

現存しているアンティークのパイン材家具に古いペンキの跡が見られるのは、本来はペンキを塗って使われていた物であったことを物語っています。
ただ、おおかたのパイン材家具はペイントしなければいけない理由があってペイントされているわけですから、ペイントの下には当然虫食いなどの跡も隠れていたはずです。
そういった虫食いやキズも「味のあるアンティーク」として鑑賞できる程度であればいいですが、ペイントを剥がすと見るも無残な状態のものもあります。

魅惑のオールドパイン

もともとパイン材は家具のほかに建材としても多く使われていました。

実際に英国の古い屋敷などを解体する際にもパイン材が出てきています。その中でも立派な梁や良い状態の床材などを古材として再利用するのですが、これをオールドパインと呼びます。

これらの古材は長い年月をかけて深い味わいを持ち、このオールドパインで作られた家具もまた、古くて新しい家具として人気があります。

長い長い時間の旅を経て家具として蘇るオールドパインには、どんな物語が隠されているのでしょうか。そういったことを考えながら家具を眺めると、少しロマンチック、ノスタルジックですね。

一生をかけて使い込みたいパイン材家具

アンティークのパイン材家具は、飴色になった木肌・しっとりとした手触り・風合いを楽しめます。
一方、新品の手触りはさらさらとしていて、木の香りまで楽しめるのでお薦めです。

パイン材は針葉樹ですから、新品であれば家具を置くだけで木の香りを楽しめます。心身共に癒される香りに優しく包まれながら過ごす日々の安らぎや満足感は、パイン材ならではだと思います。

また、明るい色あいのパイン材でも年月とともに少しずつ色が変化していきます。
年に1~2回、適宜ワックスでお手入れをすることにより、より深い飴色へと変わり、しっとりと艶やかな手触り・表情へと育っていきます。

キズも汚れも大切な家族の思い出とともに刻み込んで、一生かけて大切に育てていきたい、深い味わいを楽しめる魅力的な家具なのです。新品のパイン材の家具だったら、家具の歴史が家族の歴史そのものとなるでしょう。

愛着を持って大切に使い込みたいなら、値段・デザインの他に、長く長く使っていける質の良いものを選んでください。
亀裂が入ったりねじれたり歪んだり、そういったパイン材独特の年月の変化を計算したうえで作られた家具選びが大切になってきます。

素敵なパイン材の家具が見つかるといいですね。
以上、四門がご紹介しました。