高級家具材、マホガニーって何? マホガニーのウソ・ホント

マホガニー材は他の木材に比べ赤みが多く、艶やかな褐色の肌が、非常に美しい木材です。
アンティーク家具だけでなく、現在作られているクラシック家具の材料としても使用され、そこには高級なイメージがついてまわります。

さて、ではマホガニーの何が高級なんでしょうという疑問と、「高級」という一般的なイメージの割に、比較的庶民的なアンティーク家具にもマホガニー製が多いよね、という疑問がでてきます。ずっと調べているうちにマホガニーの面白い素性が見え隠れして、マホガニー材への見方が変わりました。

今日はマホガニーについての話、アンティークならではの裏話について書いてみたいと思います。

アンティーク マホガニー物語

アンティークショップで販売されている家具の中には、相当な量のマホガニー家具が見られます。あまりの量の多さに「いやいや、マホガニーって希少で高級なんでしょ?」と、僕は仕事中に不思議に思っていました。

実物を見比べてみるとわかるんですが、マホガニー家具といっても「素材の良さ」はピンからキリまであります。基本的に僕の働くアンティークショップでは素性の良くない家具は扱いませんが、輸入の際にときどき残念な家具が混ざってきます。そして残念なほうの家具は、マホガニーっぽい色に塗ってあるだけだったりするんですね。でもアンティークのディーラーが「マホガニー」として出しているのでこれもマホガニーなんでしょう。

マホガニーの大流行

そもそもマホガニーは、もともとアメリカ(キューバやジャマイカ)原産の赤褐色の肌をもつ木材です。ヨーロッパで家具の材料として取り入れられ始めたのは18世紀ごろと言われています。
最初の頃は家具の表側に出ないところに使われていたようですが、ヨーロッパに訪れた大寒波などの自然災害などで木材が不足し始めてから、積極的に家具に取り入れられるようになったようです。
赤みをおびた木肌の美しさに加え、当時流行りの美しい家具彫刻がマホガニーの色に映え、大変見栄えよく美しい家具が作り出されました。瞬く間にマホガニーを使った家具が流行を始め、木材の輸入量が増え、あっという間にキューバやジャマイカのマホガニーは刈りつくされてしまったそうです。

マホガニーに「希少」というイメージがあるのはこのあたりの理由からだと思われます。
そして当時、新しい流行の家具をオーダーできたのは裕福な階級の家に限られていたので、家具自体も非常に高価だったことでしょう。そういったことで、その後は「希少・高級」というイメージがマホガニー材にはついて回るようになります。

ただ、マホガニーの家具といっても無垢の板をそのまままるごと使用しているわけではなく、目立つ部分、飾り板、家具の前面の表側の部分にだけ使われている家具も多いそうで、アンティークでは、薄くスライスしたマホガニーを家具の表面にはりつけて仕上げてある家具もマホガニー家具として流通しているとか。僕の目には貼ってあるのかどうかはわかりませんが。

「マホガニー」という色と名前

マホガニーという木は、削ると特性が現れるそうです。
「削って削って、芯にいけばいくほど美しく赤みを増す」のが本来のマホガニーだとか。
実際にマホガニーの家具を削ることはできないのですが、そのように言われています。

マホガニーを刈りつくした後、マホガニーの需要に応えるために世界中から赤い肌をした木材が集められるようになりました。ヨーロッパは世界中に植民地があるので、そういった植民地から集めて本国へ輸出していたんですね。そして、植民地から輸入された赤みのある木材は全て「〇〇産マホガニー」という名前が付けられていたそうです。

古いたとえで恐縮なんですが、数十年前に「和製ビートルズ」としてグループサウンズが日本で大流行したように、全然違う素材なのに「それっぽい(赤っぽい)」ということで「〇〇産マホガニー」と名前をつけていたそうです。
ちなみに「マホガニー」という言葉が付くと、赤くない木材より格段に値段が跳ね上がったとか。そのくらいヨーロッパでは「マホガニー」の需要があったんですね。

そして、輸入されるときには「〇〇産マホガニー」だったかもしれませんが、最終的に家具やら何やらに加工された後は「マホガニー」という名前になっていたようです。そしてどうにもマホガニーっぽくない家具も正真正銘マホガニー、と。

最終的に赤っぽくないものは赤く見えるような染色を施されていたそうなので、同じ「マホガニー家具」でも木の材質は異なるようです。綺麗に修復されてしまうと僕の目ではわかりづらいんですが、職人さんはすぐにピンとくるようです。

マホガニー風。正真正銘のマホガニー

なので、今流通しているマホガニー材も、素材というか木の種類は様々で、本来のマホガニーとは似ても似つかない素材だと言われます。まぁ、本来のマホガニーは希少なため伐採が禁止されているので、厳密に言えば流通しているマホガニーに本物・ニセモノという区別は意味がないんですがね。最近ではインドネシアなど東南アジア産のマホガニーが多く流通しています。

そういったことからみても、マホガニーと謳われている高級家具は「マホガニー風」と頭の中で変換したほうが良いと言われます。家具を「マホガニー色」に塗られてしまえば、普通は見比べても区別つきませんから。マホガニーという名前を付けられた材料である以上、正真正銘、マホガニーです。

あと、マホガニーって、普通に赤くありません(もしくは赤く見えません)から。他の木に比べて赤っぽい(褐色)だけで、僕の感覚では赤いとはとてもとても。

最後に

最後にベタな話をしますけど、マホガニーの家具なら、やはり褐色の木肌の深い色合いを楽しみたいものです。
マホガニー製とうたいながらも白くペイントして仕上げられたような家具は、ペイントで木肌を隠さなければいけない材料を使用していると僕なら考えます。
高級なイメージではありますけど、現行品においては高価でも実態が伴っていない家具も多いので「マホガニーって意外に安っぽいのね」ということにならないように気をつけてください。

なお、マホガニーの家具についてはこちらもご覧ください。

濃厚なマホガニーを味わい尽くす アンティークな家具たち
マホガニー材は高級家具の材料として有名です。 赤みを帯びた優雅な色合いが大変魅力的ですが、すこし装飾がこってりしすぎかなぁ~とも思います。...

以上、四門がマホガニーについてご紹介しました。