アンティークのシルバーは、実際に使用されながら長く時間を経てきたことで、傷やスレ、そしてシミがあります。どうしても出てしまいます。まあ、こういったものも風合いとして楽しむのがアンティークでもあります。
シルバー製品でコレクションするとしたら、多くの場合カトラリーから入ると思います。
バターナイフやブレッドナイフ、ジャムスプーンなど、美しく華やかな装飾の施されたシルバー製品は、サイズも小さく比較的買い求めやすい値段です。
こういった銀製品は必ず身元を示すホールマーク(刻印)が入れてあるので、購入する際はマークが確実についているものを選ぶのが偽物を掴まないポイント。
今ではこんな素敵な装飾のあるバターナイフを使うような優雅なシーンもなかなかないので、『実用』というよりは『憧れ』とともに買い求めるコレクターも多いと思います。
シルバーのカトラリーについてはこちらの記事でご紹介しています。併せてご覧ください。
シルバー製品は高級品というイメージがありますが、実は、時代が浅いものは手に入れやすいお値段です。
一般的に100年経過したものをアンティークと呼ぶことが多いのですが、100年未満のものは「中古」として扱われることも多いです。中古品はアンティークより値段が安くなる傾向があり、手に入れやすいのが嬉しいですね。
実際にはアンティークと変わらない素材で、アンティークの雰囲気を十分に楽しめるので、アンティーク初心者さんにもお薦めです。
今日は、アンティークの雰囲気を存分に楽しめる、シルバーティーポットを皆さんにご紹介します。
アンティークな銀のティーポット
カラトリーだけでなくティーセットもシルバーで揃えると、より本格的に雰囲気を楽しめます。ガラスや磁器のプレートと合わせてセッティングをすれば、古き良き時代の美しいティータイムにタイムスリップしたかのようです。
ただ、本格的なアンティークのシルバーティーセットは、長く使用されてきたことにより、ポットの中が真っ黒く黒ずんでいたり錆が出てきたりしていて、日本人の感覚では、なかなか実用するのに躊躇する状態であったりします。
しかしながらポットの中まで状態が良いものは、ちょっと手が出るお値段でもないのが現実です。
憧れのティーセットを本格的なシルバーで楽しむ
もはやアンティークと呼んでも差し支えないほどアンティークに近い「中古」のティーセット。その傷んだ部分を修復し、再度銀メッキをかけ直して実用に耐える美しい状態にして販売されているのが「アンティーク現行品」です。
アンティークの雰囲気を存分に楽しみながら実際に使って楽しめる、良いティーセットです。
画像をクリックして、修理や銀メッキの詳細を見ていただければお分かりのとおり、実用品なので衛生的にも問題ありません。美味しいお茶を愉しめます。
そしてシルバーの再メッキが施されていることにより、美しいシルバーの輝きと、使用するにしたがって風合いが増すのをお手元で楽しむことができます。
アンティークとして販売されているティーセットよりも状態が良く、比較的手に入れやすいお値段の物も多く扱っているのが嬉しいですね。
実際に使う際には、気を使ったり、値段に気後れせずに扱えますよ。
ただ、アンティーク同様1点ものであることに変わりはないので、気に入って検討している最中にSOLD OUTになってしまうので注意が必要です。
銀メッキとアンティークの物語
現在残っている銀無垢のティーセットは、ちょっと目が飛び出るお値段です。
もともと銀はメッキをかけるのが難しく、古い時代には銀無垢で作っていました。
近代になってからメッキの技術が向上し、板金に銀メッキを施した銀製品が出回るようになると、生産が効率化し値段も銀無垢に比べ手ごろになったそうです。
今まで王侯貴族だけのものだった銀製品でしたが、銀メッキという新しい技術と産業革命・大量生産時代の到来により、経済的に余裕のでてきた商人達にも手が届くようになりました。
当時、憧れのハイクラスの生活を一般人(といっても成功者に限る)が手に入れる時代がやってきたのですね。
なので、板金加工に銀メッキをかけた銀製品はアンティークシルバーの中では比較的時代が若いものが多いようです。
大量生産がなされた時代についてはこちらでご紹介しています。合わせてご覧ください。
メッキ製品は使い続けるうちにどうしても薄くなっていくものなので、家庭で代々使われているアンティークのシルバーも再メッキされているものが多いとか。
もちろんしっかり銀がかけられているので銀製品としての美しさと風合いは変わりません。
イギリスではそういった再メッキをするための職人がいます。職人によってはかなり厚くかけるそうですよ。
銀のティーポットを毎日使う
せっかくシルバーのティーセットを買ったなら、毎日使ってほしいものです。
銀は長期間使わないまま置いておくと輝きが曇ります。
銀の輝きを保つために重曹を水に溶かして磨いたり、アルミホイルで包んだり、といろんな方法がありますけど、結局は毎日使うのが一番です。
せっかく良いシルバーのティーポットを持っているのですから、コンディションを維持するためにもぜひ毎日使ってください。
といっても、紅茶を毎日飲まない方もいらっしゃるかもしれませんね。
紅茶に限らなくてもいいんです。緑茶を淹れて、コーヒーを淹れて楽しんでください。
もともと紅茶も緑茶も同じお茶ですし。
万が一、銀メッキが薄くなった・剥げてしまった、といったことになったら、もう一度メッキをかけてしまえばいい。買ったお店に問い合わせてもいいし、新潟の燕市でも銀メッキ依頼を受けていますので心配いりません。
毎日、良い道具を使うことで生活は洗練されていく
美しいシルバーのティーセットを毎日使えば、100円ショップで買ってきたティーカップと不釣り合いだと感じるようになるかもしれない。
恐らくシルバーのティーポットを基準にして、それに釣り合うカップやプレートを揃えるようになるでしょう。キャンドルを揃え、カラトリーをそろえ。
そうやって少しずつ、食卓が洗練されていくはずです。
食卓が洗練されて行けば、おのずと目が肥えます。長い時間をかけて身の回りに置く物すべてに、良いものを選べるようになるでしょう。やがて生活が洗練されていくのです。
時間をかけて探し、買い換えていくことで、目が肥えるのです。
今の人はその辺のところがせっかちです。すぐに買い換えようとすると人は流行の物に流されてしまいます。
記念日に一つ。お祝いに一つ。そうやってゆっくり時間をかけて思い出を刻みながら道具と、家具と、一緒に生活することでアンティークは輝くのです。
どうぞ美しいアンティークシルバーの道具をお手元に置いて、毎日の生活を楽しんでくださいね。
以上、四門がご紹介しました。