ウィンザーチェアなくして椅子は語れない。英国アンティークチェア

ライターの仕事でアンティーク商品を扱うようになってから、幾度となくウィンザーチェアをお客さんに紹介してきました。
ウィンザーチェアーは英国の庶民の暮らしと密接に関係した民藝椅子であり、カントリーチェアです。

アンティークを知るならウィンザーチェアは避けて通れません。
長い歴史のなかで様々な椅子のデザインに影響を及ぼし、海外のデザインチェアのルーツともなったウィンザーチェア。

作られた年代・形やインテリアの知識、そういった表面的なモノだけでなく、
椅子を触りながら生活し、英国の椅子の歴史と英国人の生活スタイルを知ってこそ、モノを見る目と感性に奥行きが生まれ、よりアンティークを楽しめると思うのです。

その一助となるのが『ウィンザーチェア大全』

アンティークチェアについて書く仕事をいただいて、参考資料でウィンザーチェアの画像を初めて見たとき「松本民藝家具の椅子とそっくりだなぁ」と思いました。

違います。私の勉強不足でした。実は松本民藝家具の椅子はウィンザーチェアのスタイルを継承しています。仕事の参考にするために手に入れた、この「ウィンザーチェア大全」を読んで初めて知りました。

松本民藝家具についてはこちらの記事で触れています。併せてご覧ください。

正統派モダン 松本民芸家具と北海道民芸家具(現飛騨産業)
民藝運動にまつわる全ての渦の中心にいたのは柳 宗悦です。その民藝運動の中で「民芸家具」作りに影響を与えた、ウィンザーチェアをルーツとした家具作りに身を置いたのが北海道民芸家具、松本民芸家具、飛騨産業となります。
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ウィンザーチェアなくして椅子は語れない

『ウィンザーチェア大全』という本は、ウィンザーチェアを取り巻く歴史的な背景や庶民の暮らし、一つひとつのデザイン、木の性質、組み立てに到るまで細かく網羅された本です。

椅子だけでなく、イギリスの歴史や産業について非常に深く掘り下げていますので、イギリスアンティーク(家具)について勉強するなら『ウィンザーチェア大全』は読んでおいて間違いないと思います。

【新品】【本】ウィンザーチェア大全 歴史、デザイン、製作技法、名品紹介などすべてを網羅した決定版 島崎信/著 山永耕平/著 西川栄明/著

専門的で分厚すぎる本ではありますが、初心者にもわかり易いように解説してあるので、ウィンザーチェアがお好きな方にもお薦めします。

ちょっと高価な参考書になります。図書館にも置いてあると思うので探してみてください。

アンティークチェアを見る際には

アンティークのウィンザーチェアは、使われている材質や作られた年代・椅子のデザイン・現在の状態によって値段が変わりますけど、購入しようと思えば結構な値段です。

ダイニングで家族分揃えて、毎日何気なく使うにはちょっと躊躇する。しかもアンティークは状態が完璧なモノばかりではありません。

特にアンティークの椅子は脚のガタつきがみられることが多いので、ネットで買う際には注意が必要です。

きちんとしたアンティークショップはその店専用の職人さんがいて、家具をメンテナンスしています。
アンティークチェアを買う際は、きちんと職人が脚を組み直しガタつかないようメンテナンスした商品を販売している、アンティークショップで買い求めましょう。

現代も作られているウィンザーチェア

ウィンザーチェアにはたくさんの種類があります。
上記画像の椅子はコムバッグ(ファンバック)・サイドチェア(カウホーン型貫)というタイプの現行品になります。

バックで斜めに差し込まれたスティックに特徴的なバルスターレッグとカウホーン。生まれは素朴な民藝椅子でありながら、美しいシルエットを持った椅子です。
もちろん座面の形もきちんとオシリの形に沿うように彫られていて、クラシックなスタイルを継承しています。

もともとこの椅子は庶民の椅子です。

素朴な質感、汚れても大丈夫な板座。
※板座には座繰りといってお尻の形に合わせて削ってあります。

せっかくウィンザーチェアを購入するなら、アレンジしすぎて原型を失った椅子より、ウィンザーチェアの特徴をしっかり残したものを選んでほしいと思う。艶が出るまで長く使えば、とても素晴らしい雰囲気を持った椅子になるから。

ノスタルジックな雰囲気の、気に入った椅子を少しずつ揃えていくのが素敵です。

日本でも椅子作家・家具作家が、素敵なウィンザーチェアを現在も作り続けています。
日本の家具職人の熟練した技術はアンティーク品をしのぐ・もしくはそれ以上ではないかと私は考えています。

伝統的にウィンザーチェアを作り続けているのが松本民芸家具と飛騨産業(HIDA)
その歴史は深く、日本の民芸運動を巻き起こした柳 宗悦(やなぎ むねよし)まで遡ります。

正統派モダン 松本民芸家具と北海道民芸家具(現飛騨産業)
民藝運動にまつわる全ての渦の中心にいたのは柳 宗悦です。その民藝運動の中で「民芸家具」作りに影響を与えた、ウィンザーチェアをルーツとした家具作りに身を置いたのが北海道民芸家具、松本民芸家具、飛騨産業となります。

今も新しいウィンザーチェアを作り続けるアーコール社で復刻されたウィンザーチェアはあまりにも有名ですね。

ナチュラルな風合い、たくさんの思い出を刻みながら使い込むにつれ飴色に染まる美しい木の椅子です。北欧スタイルの人気とともに日本でも人気が爆発しました。

アーコールの新品は手の出ないお値段ですが、アンティークなら手ごろな値段で家族分を揃えられるのでお薦めです。

ヴィンテージのアーコールチェアについては以下のページで歴史とともに紹介しています。併せてご覧ください。

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イギリスの長い歴史に、寄り添ってきたウィンザーチェア。
椅子は毎日の生活に密接した道具なんですね。
「木の椅子を家に置きたい」と思ったら、ウィンザーチェアをぜひ、何気ない日常の椅子として置いていただきたいと思っています。

以上、四門がご紹介しました。